いま、課題と考えていること
南相馬市は、子育てしやすい街ランキングで上位を取り続けるなど、非常に豊富な子育てを支える制度や施設があります。しかし、その充実度合いにもかかわらず、子どもや保護者がここで過ごす毎日に満足しているかは分かりません。必要な支援が使いやすいか、子どもが友達と会えるか、学校以外にも安心できる場所があるか。暮らしの中から確かめたいです。
子どもの居場所は、重要な課題です。南相馬市でも不登校の児童生徒の割合が増えています。また、車での移動が中心の地域では、子どもだけで友達の家や遊び場へ行くことも簡単ではありません。児童クラブを利用しなくなった小学校高学年や中学生も含め、放課後や休日に誰とどこで過ごしているのかを知る必要があります。学校に行きづらい子だけのためではなく、すべての子どもが、家と学校以外にも行きたい場所や会いたい人を持てることが大切です。
もう一つ大切にしたいのが、地域の自然の中で遊ぶ機会です。南相馬には川や山などの自然がありますが、震災後、外遊びが難しい時期を経験しました。今の親世代にも、地域で自然遊びを教わる機会が少なかった人や、移住して地域の遊び方をまだ知らない人がいます。子どもを連れて行きたくても、どこで何をしてよいか分からない。そのままでは、身近な自然に親しみ、地域を好きになる機会も失われてしまいます。
自然の中での活動には危険もあり、行政が責任を心配するのは理解できます。ただ、「危ないからできない」で終わらせず、どうすれば安全に取り組めるかを地域と一緒に考えたいです。
提案・働きかけたいこと
子ども本人の声から居場所を考える
小学校高学年や中学生を含め、放課後や休日の過ごし方、行きたい場所、そこへ行く手段を調べます。学校に行きづらい子や保護者の声も丁寧に聞き、学校内外にすでにある支援とのつながりを確認します。
通えて、過ごしたくなる場所を増やす
公共施設や地域の拠点、民間の場所を活用し、友達と過ごしたい子、静かに過ごしたい子、それぞれが選べる居場所を検討します。場所だけを用意するのではなく、開いている時間、見守る人、そこまでの移動も一緒に考えます。
地域の外遊びの知恵をつなぐ
川や山での遊び方を知る地域の人、自然活動の団体、保護者などが、親子で参加できる活動をつくりやすいよう働きかけます。まずは小規模な活動から始め、場所ごとの危険の確認、引率や緊急時の対応などを整理します。行政には一律に止めるか認めるかではなく、安全に実施できる条件を地域と一緒に考えてほしいです。
今ある制度や施設も使いやすくする
子育て支援の情報が必要な人に届いているか、遊具の故障など日々の不便に対応できているかを確かめ、利用者の声を運営改善につなげます。学校と地域・民間の良い取り組みも、担当者が替わって続けられる方法を探ります。
まず確かめたいこと
- 小学校高学年・中学生が、放課後や休日にどこで誰と過ごしているか
- 学校に行きづらい子と保護者の声、すでにある支援とのつながり
- 川や山で安全に遊ぶための条件(危険の確認、引率、緊急時の対応)
- 子育て支援の情報が必要な人に届いているか、遊具の故障などに対応できているか
目指すまちの姿
子どもが学校以外にも安心して行ける場所を持ち、友達や地域の大人と出会えるまちです。親子が身近な川や山で遊び、地域の人から楽しみ方を教わり、「南相馬にはこんな場所がある」と感じられるまちです。
制度や施設を整えるだけでなく、子どもがここで過ごした時間を好きになり、保護者も地域の人と一緒に子育てできる。そんな日常を増やしていきたいです。